意味のある業務改善のために個人経営者が踏むべきステップ

経営者

業務改善、経営されている方はよく聞くワードではないでしょうか。
なんとなくでいろいろなことを変えていくと、結局最後には「業務改善してみたけど、本当にこれで何か良くなってる?」なんて状況に陥ることも。
今回は「会社の状況を改善したいけど何をすればよいのやら」という経営者の方のために、業務改善に必要な知識やステップをお教えいたします。

そもそも業務改善とは|個人事業主こそ業務改善を!

業務改善は、目標を達成する為にはどの業務を改善していくのかを考えて最適なプロセスを行うことです。即ち、最適なプロセスにするにはどこを改善していけばよいかを考えることを指します。
業務改善を行うには、改善すべき業務を出していく際、対象としてヒト(能力・考え方・意識)・モノ(設備・工程・フロー)・コト(ルール・体制)が挙げられます。これらの項目に対して、Q(Quality)、C(Cost)、D(Delivery)を意識する必要があります。即ち、Quality(品質)は品質維持または向上、Cost(コスト)は人件費・原価・発注や運営コストを抑える、Delivery(納期)は工期や作業時間の短縮、の少なくてもどれかを満たす必要があります。
QCDを意識した業務改善は企業内に対してのみならず、仕事の進め方を意識するうえで、個人事業主にも必要になってきます。特に個人事業主は全ての業務に関わっているので、仕事の効率化を目的とした業務改善が重要になります。仕事の効率が下がると、無駄に作業時間が増えてコストに見合わなくなります。
しかし、個人事業主は仕事の内容やフロー、改善する事による影響範囲を把握しやすく、大人数が関わらない改良やPDCA(Plan, Do, Check, Action)サイクルが容易という利点があります。

改善すべき項目を洗い出せば、もし一人でできない場合でも外部コンサルタント等に相談する内容も明確になり、本来の目的の業務に集中できるので、個人事業主も業務改善は重要です。

業務改善の3つの目的

働き方改革の一環として、会社が業務改善に取り組むことが当たり前のようになってきています。様々な観点から業務改善をするためには、目的を明確にしておくことが重要です。
主な目的としては、「職場環境の改善」「生産性の向上」「品質の向上」が挙げられます。
まず、「職場環境の改善」として考えられることは、従業員の負担軽減の必要性です。例えば、業務量が増えた際には能力のある従業員に業務は偏りがちになります。長期的に考えると、従業員の能力だけでは補えない部分も出てくるでしょう。そのためには、特定の人に負荷が集中しないような仕組みを作ることが必要になります。
次の「生産性の向上」については、無駄な時間の洗い出し、効率化の必要性などが考えられます。例えば、単純作業をシステム化することで余った時間を別の業務に割り当てることが出来るようになります。
そして、「品質の向上」については商品、サービスの顧客満足度を高めるために広い視野で取り組むことが必要になってきます。例えば、業務や組織の見直しなどを継続的に行うことで、常に作業効率アップやコスト削減を図ることができます。
品質向上によって、競争力を高め、会社を発展させていくことができるでしょう。

業務改善の3ステップ|①業務の見える化

業務改善をするにあたって大切なことの一つに「業務の見える化」というものがあります。 「業務の見える化」とはいったいどうすればいいのか、その方法と重要性をご説明します。
まず、それぞれの業務において作業手順を明確にします。すべてを洗い出し、業務の全体像を把握することから始めていきます。その上で、業務の問題点を見つけ改善に繋げていくというものです。そもそも作業手順は以前の方法が引き継がれてきていることが多く、すでに無駄な作業になっている可能性もあります。
また、手作業で行っていたことをシステム化するなど、作業時間の削減を図ることも出来るようになるでしょう。
さらに、従業員の業務量の差や、時期ごとの業務のバラツキが見えるようになり、無駄なく均一に業務を割り振ることが出来るようにもなります。そうすることで、無理なスケジュールで対応することがなくなり、クオリティを保つことにも繋がります。
かと言って、特定の部門の負荷が解消された結果、そのしわ寄せが他の部門にいくようであれば、会社としてあまり意味のないことになってしまいます。 そのため、業務ごとだけにとどまらず、部門を超え、会社全体で見える化をする必要があるでしょう。

会社全体における業務の繋がりを把握することは、さらなる生産性向上や効率化を図ることに繋がっていくのです。

業務改善の3ステップ|②業務の優先順位の決定

業務改善の項目を洗い出したら、項目について優先的に行うべき順位を決めます。順位をつける事で必要な仕事を把握します。業務の優先順位をつける事は、仕事を進めていく上で必要かつ重要で、自分のやりたい順位ではなく、業務を遂行する立場に立って優先度を考える必要があります。
優先順位は、業務の””重要度””・””緊急度””の切り口でつけていくのが基本的な考え方です。””重要度””が高いor低い、””緊急度””が高いor低いから4つのマトリクスに当てはめていきます。
“”重要度””高いかつ””緊急度””高い項目が一番優先順位が高くなり、””重要度””低いかつ””緊急度””低い項目は優先度を最下位に割り当てられます。しかし、””重要度””が低いかつ””緊急度””が高い項目と””重要度””が高いかつ””緊急度””が低い項目の扱いが迷いやすいです。
基本的には””緊急度””高いかつ””重要度””低い項目を二番目の優先度にします。二番目の項目は具体的な内容が不十分なのも含まれやすいので、内容を細分化して作業を分かりやすくします。
“”緊急度””低いかつ””重要度””高い項目は重要ですが、業務全体で後回しなる為に抜け落ちる事があります。その為、日程管理をきちんと行い、忙しい時期を考慮した上で早めに決めて、ほかの人に任せるのが可能であれば割り当てていく必要があります。

業務改善の3ステップ|③業務のマニュアル化

業務改善を推進するにあたって、最後のステップとなるのが「業務のマニュアル化」です。このステップの目的は、「備忘録の作成」と「属人化の解消」による「品質の維持」です。
「業務のマニュアル化」とは、端的に言うと、業務のフローや要点をまとめたドキュメント作りのことです。
まず、一人の裁量の範囲で見た場合、自身の行う業務が自分の血肉となるまでは、マニュアルを参照しながら業務を行う必要があります。あるいは、しばらくブランクを置いてから再度業務に携わる場合も、マニュアルを読んで思い出す過程が必要となります。つまり、「備忘録の作成」としてマニュアルが必要になるということです。
一方、グループの作業として見た場合、自身の行う業務を誰かに代行してもらう、あるいは、後任者に引き継ぐといったケースが出てきます。その場合も、自分にしかできない業務とするのではなく、自分以外の人が同様の業務を遂行できるようにマニュアルを用意する必要があります。つまり、「属人化の解消」としてマニュアルが必要になるということです。

「業務のマニュアル化」の一番重要なポイントは、「誰がいつ実施しても同じアウトプットが得られる」ように、マニュアルを作成するということです。そのためには、定期的に、マニュアルに記載した要点やフローを見直し、最新版に更新されているか、品質が担保されているか確認することが肝要です。”

まとめ

以上が業務改善の目的とコツでした。
個人経営だからこそ業務改善が重要なこと、業務改善で目指すべきもの、業務改善の適切なステップがお分かりいただけたと思います。
「悪いところをピックアップしてはそれを一つずつ改善する」という”点”の業務改善ではなく、「最終的にこうしたいからまずはこの部分から改善していこう」という”線”の業務改善が大切です。

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