飲食店を開業するまでの流れを簡単に説明|重要な5ステップ

飲食店

「お店を開くと決めたけれど、どのように準備すればいいのかわからない」
そんなあなたに5つのステップに分けて、開業までのスケジュールを簡潔にご紹介します。

飲食店の開業方法なんて、実生活の中で習得できる機会はほぼありません。なかなか踏み込みにくい領域ですよね。でもこの解説を読めば何となく全体像がつかめるはずです。
一番重要なコンセプト作りから順を追って流れを見ていきましょう。

①経営のシミュレーション|コンセプト作りと事業計画書

飲食店経営を成功させ、かつ長く続ける上で一番重要なのが店舗のコンセプトです。どのような店にし、どのような客層を想定しているのかをはっきり決めましょう。

成功しているお店には必ずこのコンセプトが明確に設定されています。そうすることで、お客様もお店が提供したいものが何なのか理解しやすく、足も運びやすくなります。

そしてそのコンセプトも含め、より具体的に経営戦略なども盛り込んで作成していくのが事業計画書です。
事業計画書はビジネスの内容や経営戦略、資金の使い方や収益の見込みを書き記したものです。
これは融資など資金調達のためのいわばプレゼン資料にもなりますし、後の物件探しや取引先の選定・人材募集などにも関わってきます。事業計画書は専門家に丸投げしてしまわずアドバイスをもらうに留め、必ず自分で書きましょう。計画の穴や改善点を見つけていく大きな手掛かりになります。

経営戦略や収益の見込みなどは、矛盾や無理のない想定で書きましょう。「数か月やれば人気も出て、売り上げも倍増する」なんて説得力のないものになってしまうと融資を受けるためのプレゼン資料としての役割はおろか、自分の経営の上での明確な方向性も失くしてしまいます。特に収支計画は初めは予測を立てるのが難しいですが、お店を続けていくうえで欠かせないものでもあります。第三者にも納得してもらえるようなものを練り上げましょう。

②店舗の準備|物件探しと内装デザイン

飲食店を開業したければもちろん物件探しを行いますが、その際に気をつけたいことがあります。それは飲食店のコンセプトに合う物件を探すことと、コンセプトに合わせた内装にすることです。

コンセプトに合わない物件は、たとえ低資金で始められるとしても見送ったほうが無難です。開業を焦ってとにかく物件を決めてしまったほうがいいと思い込んでしまいがちですが、それはかなり短絡的な考え方です。結果的に想定している客層が来そうもないような立地や、商品や料理にまったくそぐわない内装になってしまうと、せっかく考えた事業計画書も台無しです。経営の軸が大きく揺らぐことになります。コンセプトに合う物件を辛抱強く探すことが、必ず後の経営に活きてきます。

もしも開業の過程で資金不足に陥るようなら、融資を受けることも検討しましょう。
資金不足を理由に間に合わせで開業をしても集客にはつながらないので、融資を受けることも加味しつつコンセプトを貫いた飲食店の開業を進めることが大切です。

③取引先の選定|信頼できる業者を探す

飲食店は「お客様の口に入るものを提供する」店舗です。そのため、いかに安全な食材を用いて料理を提供できるかが重要になります。集団食中毒が原因で廃業に追い込まれる飲食店も少なくない以上、細心の注意を払うべきです。

一方で、利益もあげていかなければ経営は成り立ちません。そこで重要になるのが、信頼できる取引先を探すことです。
信頼できる取引先の選び方ですが、一つの基準になるのが、「スムーズにやりとりができるか」でしょう。聞きたいことがあった場合にメールや電話で連絡してもあまりに待たされる場合は、継続して取引を続けるかどうかを考えたほうがいいかもしれません。

また、値上がりや値下がりがあった場合はその理由を教えてくれるかどうかも大事です。理由を聞いて、納得がいくよう説明してくれる人から買うほうが安心なのは言うまでもありません。あまりに連絡がつきにくい担当者だった場合は、担当者を変更してもらうか別の業者を探すなどしましょう。

必須ではありませんが食材の使い方の提案もしてくれる業者だと、新しくメニューを提案するときに便利です。取引先というより、二人三脚で店を作り上げていくパートナーとして良好な協力関係を築きましょう。

④営業の準備|スタッフ確保

次に考えたいのがスタッフの確保です。
自分一人だけで切り盛りするつもりがないなら、スタッフの確保を欠かすことはできません。ですが飲食店を経営していくにあたって人件費は経費の中でも大きな割合を占めますので、適当に雇うわけにはいきません。
飲食店の規模、開業のために用意した資金、さらに営業したうえで得られるであろう利益などから、どんな求人をすればいいのかを決めます。店の規模やランニングコストを加味したうえでいったいどのぐらい雇えば適切なのか、飲食店のスタッフは多過ぎても少な過ぎてもいけません。
開業前からちょうどいいスタッフの人数を探っていくのは難しいですが、あらゆる視点から多角的に検討していけばおおよその答えは出せるはずです。また、求人といっても誰彼構わず雇えればOKということではありませんから、求人で求める人材についてもはっきりさせておく必要があります。いくら飲食店を開業できる物理的な環境が整ったとしても、働いてくれるスタッフを確保できていなければ開業できません。

どうスタッフを確保すればいいのかをしっかりと吟味し、適切な求人を出すのが理想的です。

⑤開業後のトラブル回避|接客ルールの作成

開業後のトラブルを防止するためには、細かい接客ルールを作るのも効果的です。
仮に、これまで同業種で経験を積んだスタッフであったとしても、新規開業の店では勝手が違うでしょう。これまでの経験だけに頼っては、判断を誤るおそれがあります。
一方、これまで同業種での経験がない場合は、何をしたら良いかすらわからないのも珍しくありません。一から仕事を覚えないと現場に立つのも厳しいはずです。つまり、経験も知識もばらばらなスタッフをまとめあげお客さんに快適なサービスを提供するには、統一の基準として細かい接客ルールが必要になります。あいさつ、席への案内、料理の出し方、お見送りのあいさつなど、単に接客と言っても決めるべきことはたくさんあります。

そして、接客ルールを決め、従業員に教える際は「なぜ、そのようにするのか」もあわせて伝えましょう。決まりだから守るのではなく「そうすることで、相手に何がもたらされるか」を理解してからやった方が、スムーズに習得できるはずです。
接客ルールは一度決めたらそのままにするのではなく、適宜見直しましょう。
運営していくうちに、ルールが実態にそぐわなくなることもあるためです。

まとめ

飲食店を開業する前にすべき最低限の5ステップ、いかがだったでしょうか。
開業前に準備することはすべて、開店後もスムーズに無理なく経営を続けていくためのものです。
あなたの大切なお店です。是非「開店後も無理なく長く続けるため」の開店準備をしましょう。

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